相模原どうぶつ医療センターBlog

相模原どうぶつ医療センター診療科紹介【運動器科編】「脚・腰の違和感は早めのご相談を」

12の診療科を備え、ワンちゃんやネコちゃんの幅広い病気やケガに対応している
相模原どうぶつ医療センター

各科の特徴やこだわりについてご紹介するシリーズ企画の2回目は、運動器科を担当する有馬克治が語ります。

有馬克治(獣医師/副センター長)

獣医麻酔外科学会所属。2017年、AOVET Japan Master Course終了。日本動物高度医療センター神経整形科研修医、ネオベッツVRセンター研修医、日本獣医生命科学大学外科学教室研修医などを経て現職。

丁寧な問診および触診で痛みの場所と原因を探る

相模原どうぶつ医療センター(以下、当センター)の運動器科では、主に骨折などの「整形外科疾患」と、椎間板ヘルニアなどの「神経疾患」の診断や治療を行っています。

飼い主様の多くは「歩き方がおかしい」「なんとなく脚が痛そう」といった違和感を覚えて来院されるので、私たちとしてはまず問診と触診により、原因を絞り込んでいきます。

問診では飼い主様に「いつ頃から症状が出始めたのか」「どのくらい痛がるのか」といったことを伺います。

そして、患部の特定に欠かせないのが触診です。チェック漏れがないよう、毎回決まった方法で行います。

その時に注意しているのは、ワンちゃんたちの反応が「痛みによるものなのか、そうでないのか」を見極めること。慣れない場所で、知らない人に囲まれた動物は緊張してしまい、痛くなくても触られるのを嫌がることが多いんです。一つひとつの動作を注意深く観察して、本当に痛い場所を見つけていきます。

まずは「腫れの有無」と「左右差」をチェック
体を横たえて「関節の動き」「痛みの有無」等を確かめる

動物の年齢によってかかりやすい疾患も変わってくるので、そういった情報も参考になりますね。例えば犬の場合だと、幼犬は骨折や膝蓋骨脱臼、レッグ・カルベ・ペルテス病、成犬だと関節炎や膝の靭帯の断裂などの可能性を考えながら診察に当たります。

問診と触診で症例や患部の検討がついたら、次はレントゲンやマルチスライスCT、超音波診断装置などを使った精密検査。場合によっては、血液検査をしたり、他の施設にMRI検査を依頼したりもして、最終的な診断を下します。

※ 血液供給量が不足し、大腿骨頭が壊死してしまう病気。

手術とリハビリで確かな機能回復を

運動器科では年間200件ほどの手術を行っています。診療科の性格上、骨折の対応などが多く、命に関わるような疾患の手術はほとんどありませんが、それでも油断はできません。「麻酔の量は適切か」「細菌による感染症の恐れはないか」など、あらゆるリスクを考慮して、安全で正確なオペを心がけています。

骨の手術に用いる医療用ドリル。アタッチメントの変更により様々な用途で使用できる。

骨折の治療に用いるプレート。患者様に応じて最適なサイズのものを使用。

また、当センターでは術後のリハビリについてもサポートしています。動物看護師が中心となって、疾患や治療経過に合わせながら、機能回復を図るのです。

動物は症状や患部を言葉で教えてくれませんし、考えられる疾患やその原因は本当にたくさんあります。当センターには診断・治療・リハビリの各シーンで、専門的な知識と豊富な経験を持った獣医師や、面倒見のいい動物看護師などのスタッフが多くいますので、ぜひ安心して利用してほしいですね。

生活の質を保つためには異常の早期発見が重要

運動器の健康は、動物のクオリティ・オブ・ライフの維持・向上に深く関わります。動きに異常を感じた際には、できるだけ早く近くの動物病院を受診してください。

例えば骨折を放置すると、骨が曲がったままくっついたり、最悪の場合には「周辺の骨が溶けてなくなってしまう」といったようなことまでありえます。そして、症状の悪化が進めば進むほど、治療は難しくなってしまうのです。

「足を上げたまま地面につけない」「歩かなくなる」など、明らかな痛みのサインはもちろん、「ちょっと歩き方がおかしい」といったような小さな変化も見逃さないことが大切です。

我々も早期発見・早期治療に貢献し、ワンちゃんやネコちゃんの健やかな暮らしを支えられるよう、常に診断や治療の技術向上に努めていきます。

ぜひお気軽にご相談ください。

取材に協力してくれたジーアくん(チワワ♂)はとってもお利口さんでした!

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