2019.08.22
カテゴリ: しつけ,トレーナー
愛犬家必見!プロトレーナーが教える 犬種別しつけ教室【プードル編】
犬好きな人なら誰もが抱えているであろう「しつけ」の悩み。実は、犬種によって効果的なしつけの方法が異なるのをご存じですか?今回は当センターでしつけを担当する米田和輝が、人気犬種ランキングでも常に上位にランクインしているプードルのしつけについてご紹介します。
米田和輝相模原どうぶつ医療センター しつけ担当 北海道出身。2002年国際ペットカルチャー総合学院卒業。専門学校講師、嘱託警察犬指導手を経て、14年より現職。現在はラブラドール・レトリバー(3代目)の育児に奮闘中。 《保有資格》 日本ドッグトレーナー協会A級ライセンス/ジャパンケネルクラブ公認訓練士/愛玩動物飼養管理士/RPTM Japan Bronze Basic Level Trainee |
しつけの前に知っておきたいプードルって『こんな犬』!
プードルはもともと水辺でカモ猟の回収犬として飼育されていた犬なので、人と一緒に行動したり、人のいうことをきいたりするのが得意なんです。そのため、一般的に“活発で賢い”犬だといわれます。「おすわり」などの物覚えも早く、比較的飼いやすい犬種の一つですね。
しかし、賢いからこそ飼い主さんがうまく使われてしまうケースも(笑)。例えば、ワンちゃんが嫌がった時にブラッシングをやめてしまうと、「嫌がればブラッシングをやめてもらえる」と素早く理解し、次から露骨に嫌がるようになってしまうわけです。このようなことが重なると、次第にワンちゃんがいうことをきかなくなっていきます。一緒に遊びながらコミュニケーションをとっていく中で、飼い主の指示に従うことを習慣付けてあげましょう。
勝負は『生後12週まで』まずは3つの取り組みを
プードルに限った話ではないのですが、犬は生後3週から12週までの間が様々な物事に適応できる時期で、この時期の経験が性格に大きく影響します。しつけに大事なこの時期を無駄にしないためにも、家に迎え入れた翌日くらいから次の3つのことに取り組みましょう。
1.トイレトレーニングで成功体験を
トイレトレーニングで大切なのは「失敗させないこと」だといわれています。ですから、必ずトイレシートの上でおしっこやウンチをさせるようにしてください。コツは時間を決めてトイレシートまで誘導してあげること。幼ければ幼いほどトイレの間隔が短いので、最初の頃は5分おきにトイレに行かせましょう。ワンちゃんによって早い遅いはありますが、プードルの場合うまくいけば、1か月程度で自分からトイレシートの上で用を足すようになります。
もしトイレシート以外の所でしてしまったら、何も言わずに、犬の見ていないところで片付けをしてください。騒いでしまうと「かまってもらえる」と思い、なかなかトイレトレーニングが進まなくなります。
2.犬の要求に従い過ぎない
家にやってきたばかりのワンちゃんは、「かまってほしい」「お腹がすいた」など様々な理由でよく鳴きます。この度に相手をしてしまうと「鳴けばなんとかなる」と学習し、よく吠える犬になってしまうんです。おとなしくしているときに遊んであげたり、エサをあげたりして「黙っていればかまってもらえる」と覚えさせましょう。
3.社会性を身に付けさせる
多くの飼い主さんが困っている「むだ吠え」や「かみつき」ですが、この原因のほとんどが恐怖心なんです。小さい頃から人や車、他の犬、大きな音などいろんなものに触れ、恐怖の対象となるものに慣れさせてください。「いろいろな人におやつをあげてもらう」、「外に散歩に連れて行く」、他の犬と遊ばせるために「しつけ教室やドッグランに行く」など、積極的に外部と関わる環境をつくってあげましょう。
ここで気をつけたいのが、いきなり大きな刺激を与えないということです。「車が怖いのに国道沿いを歩かせる」、「自分よりはるかに大きい犬と無理に遊ばせる」などの極端な対応は逆効果になります。対象物と適度な距離を保ち、弱い刺激から徐々に慣れさせてあげるのがポイントです。プードルは環境適応力も高いので、ちゃんとしつけを行えば、高い社会性が身に付くでしょう。
しつけの基本は「叱るよりほめる」
以上のことに取り組む際には「ほめる」ということを意識してください。こちらが望むことをしてくれたら、とにかくほめる。ご褒美をあげたり、なでてあげたりしながら声をかければ、ワンちゃんも「こうすればいいんだ」と分かってくれます。逆に叱る場合は慎重になる必要があります。特に子犬の時期はまだやって良いことと悪いことの区別がつかないので、叱るのはあまり推奨しません。できたことに目を向けて、楽しくしつけを行ってください。

愛犬家の皆さまへのメッセージ
プードルの飼い主様へ
しつけの大事な時期を逃してしまった方も安心してください。たくさん遊んであげて、毅然とした態度で接し、ダメなものはダメと注意すれば、まだまだしつけは可能です。飼い主様とワンちゃんがお互いに信頼し合える関係を築くことで、どちらも楽しい時間を過ごせることを願っています。
これからプードルを飼う方へ
どんな子に育てればいいのか、どういう性格の犬種なのか、小さい頃に何をしなければならないの、そういったことをよく調べてから飼い始めるのがよいでしょう。プードルは賢い上に抜け毛も少ないので、初めて犬を飼う方にもおすすめですよ。
《コラム》ブラッシングのポイント
- 毛をしっかりかき分けて、皮膚が見える状態にしましょう。
- 犬の皮膚とピンが垂直になるようにして、根元から毛先にかけてほどく。皮膚に当てないようにしてください。
以上2点に注意することで「毛をむりやり引っ張る」「皮膚に傷をつける」といったトラブルが少なくなります。
