相模原どうぶつ医療センターBlog

「回復して元気になったワンちゃんを見送る瞬間が幸せ」動物看護師長_遠藤佳菜

相模原どうぶつ医療センターで働くスタッフの知られざる素顔に迫るこのシリーズ、トップバッターを務めるのは30名からなる動物看護師チームを率いる遠藤佳菜です。物心つく前から牧場で遊んでいたという“生粋の動物好き”である彼女は、日々どんな想いで仕事と向き合っているのでしょうか?

動物看護師長・遠藤佳菜

神奈川生まれ。2004年東京女子体育短期大学卒業、06年東京ペットコミュニティ専門学校卒業。06年より現職。愛犬(写真)はチベタン・スパニエル(♀)。

《保有資格》

動物看護師統一認定機構 認定動物看護師 デンタルマイスター(社内資格)

・日本動物高度医療センターにて研修(2010年~2013)

・西関東エリア動物看護師リーダー (2012年~2015)

犬や猫のいる牧場が原風景子どもの頃から動物が大好き

私は幼い頃から、たくさんの動物に触れ合う機会に恵まれました。祖父が牧場を営んでいて、子どもの頃からしょっちゅう遊びに行っていたんです。牧場には乳牛はもちろん、犬や猫などの動物もたくさんもいて、気付いたら「動物とともに暮らす=幸せ」と考えるようになっていましたね。

学生時代の夢は「子どもか動物に関わる仕事に就くこと」。一度は幼稚園の先生になると決めたんですが、幼稚園教諭免許を取った後になって「やっぱり動物に関わる仕事の方が長く活躍できるんじゃないか」と考え直したんです。てっきり幼稚園で働くと思っていた父と母は驚いたようですね(笑)。

就職にあたっては「企業が運営する大規模な病院の方が幅広い経験を積みやすいだろう」と考え、2006年にイオンペットへ入社しました。

嵐のように毎日が過ぎた新人時代助けてくれたのは「飼い主さまの言葉」

動物看護師というのは、獣医師による診察や治療をサポートする職業で、お産から老犬や老猫の介護に至るまで、様々な局面でのケアに携わります。多彩な役割が求められますが、中でも大事だと思うのは「獣医師と飼い主さまの架け橋になること」ですね。飼い主さまに寄り添い、本音を聞かせていただき、獣医師に共有する。このことは、よりよい獣医療をご提供する上で、すごく重要なんです。

私が就職した頃はまだ「医療センター」になる前で、イオン相模原ショッピングセンターにある動物病院として診療を行っていました。診察室が1つで獣医師は1人か2人、動物看護師も先輩と私の2人の計3〜4名。総スタッフ数が60名を超える規模となった現在とは全く違う環境だったんです。

先輩が休みの日などは、一人で外来や入院などの業務を行いながら、会計や電話対応までこなさないといけなくて…。休診日である土日にようやく、仕事の進め方について先輩とすり合わせをできるような状況でした。

家に帰ってもよく電話が鳴っているような錯覚に襲われましたし、疲れすぎて勉強もできない。モチベーションがどうこうなんて言っている場合じゃなくて、もうとにかくやるしかないんですよ(苦笑)。毎日の仕事の中で一つずつ出来ることの“ひきだし”を増やしていきましたが、とにかくつらかったですね。

そんな時期の私を救ってくれたのは、ワンちゃんやネコちゃんの飼い主さまでした。いろんな業務に追われてバタバタの私を見て「大丈夫?」とか「頑張ってね」とか、「私は待てるから急がなくて平気だよ」なんて温かい声をかけていただいて。本当にありがたかったですし、そのご恩は絶対に忘れられません。

クリニックから医療センターへ仕事は変わっても“想い”は変わらない

入社から10年近く経った2015年、「相模原どうぶつ医療センター」として新たなスタートを切りました。最も大きな変化は、ワンちゃんたちが最初に受診する「1次医療機関」から、紹介で受診していただくケースの多い「2次医療機関」も兼ねるようになったことです。

以前は子犬のワクチン接種などの外来が多かったのですが、リニューアル後は高齢のワンちゃんたちをたくさん連れて来ていただくようになりました。緊急症例が増えたし、夜間救急も手がけることになったので、仕事の内容やスタイルもガラリと変わりましたね。

リニューアル前にいたスタッフはまだ一人も辞めることなく、一緒に働いています。このことはすごく嬉しく思っています。それに建物や医療機関としての性格が変わっても「動物たちや飼い主さまに寄り添い続けたい」という想いは全然変わっていません。

ただ、以前は私たち動物看護師が受付に立つことがあったんですが、いまは受付の専属スタッフが対応してくれているんです。それで皆さんと顔を合わせる機会が減ったことだけは、少し寂しく感じますね。

きめ細かいケアを提供するべく「入院管理」を独立した業務に

現在は看護師長を務めているので、仕事全体に占めるマネジメントの比重が大きくなりました。刻一刻と変化し続ける状況を把握しながら、その日に行う手術の順番や人員の配置を決定していきます。

当センターでは30人の動物看護師が「オペ室」「リハビリ」「介護」「入院」「しつけ」という5部門の業務を担っています。人員配置については、各人の個性を活かせる“適材適所”を心がけています。

入院の担当については他の業務と掛け持ちで担当する病院が多いと思いますが、「飼い主さまの“家族”を預かっている以上、できるだけ丁寧にお世話させていただきたい」という考えから、独立した業務としているんです。

犬も猫も、とてもデリケートな生き物で、それぞれに個性があります。例えばネコちゃんは周囲にいる人の動きでストレスを感じる子もいれば、逆に構ってもらえないとストレスを感じる子もいます。そうした生活習慣や気質について、飼い主さまに詳しく聞いておくことで、より満足度の高い入院生活を送ってもらえるよう努めています。

スタッフ同士で特に気を付けているのは、報告や連絡などのコミュニケーションですね。「治療を受ける患者さんがどなたか分からない」というようなことが決して起きないように、ことあるごとに動物看護師を集めたミーティングを開くようにしています。

私自身はいまオペ室を担当しています。救急の場合、症状が深刻な場合が多く、飼い主さまも泣きながら来院される…ということも。そんな時は獣医師を中心とするスタッフが全員、命をつなぐためだけに全力を注ぎます。

瀕死の状態で運び込まれたワンちゃんが元気になって、尻尾を振りながら帰っていく姿を見ると「この仕事をしていてよかったなぁ」と思います。

やがて訪れる別れとペットロス、どうか「幸せ」も思い出してほしい

動物看護師になって初めて担当させていただいたワンちゃんたちがいま13、4歳になっていて、最近は寿命を迎える子も出てきました。

私の顔を見ると、生前の愛犬が病気で苦しんでいた様子を思い出して泣いてしまうという飼い主さまもいます。亡くなって何か月か経った頃に、お元気にされているか気になって電話をかけても、「まだ、あなたには会えないわ」と言われることがあります。

私自身、お世話させていただいたワンちゃんが亡くなってしまうと、家へ帰ってからも「あの時こうしてあげたら…」と思い悩んでしまいますからね。ご家族にとっては、たとえ愛犬が20歳まで長生きしたとしても、「もう十分」ということはありません。なかなか立ち直ることの難しいペットロスの問題について、私たち動物看護師がどうすれば貢献できるのか…本当に難しいです。

私としては「どうかつらかった時だけを思い出さないで、ワンちゃんやネコちゃんがいて幸せだった時のことを思い出していただきたい」と思うんです。きっと動物たちがいたからこそ得られた幸せがいろいろとあるはずですから。

中にはつらい時期を乗り越えて、「新しい子を家族に迎え入れました」と教えてくれる方もいます。そんな時は「また動物とともに暮らす生き方を選んでくれたんだなぁ」と、うれしい気持ちになります。

ぜひ気軽にご来院ください!動物看護師を目指す人も大歓迎

「医療センター」という重厚な感じの施設名になったので、「重症でないと診てもらえないだろう」と受診を躊躇される方もいると思うのですが、決してそんなことはありません!セカンドオピニオンを求めていらっしゃる方には各科の獣医師が時間をかけて丁寧に説明しますし、入院管理などについても私たちが心を込めて対応させていただきます。ぜひお気軽にご来院ください。

動物看護師を目指している方にも、当センターはおすすめです。様々な専門性を持った獣医師の先生と仕事をすることができますから、動物看護師として大きく成長できるはずです。企業が運営していることもあって福利厚生がしっかりしているし、産休や育休を取得した後に復帰する看護師さんもたくさんいます。いまは完全週休2日制なので、毎週きちんとリセットできます。

風通しも良くて、スタッフはみんな仲がいいですよ。仕事ですからピリッとすることもありますが、プライベートでは一緒に飲みに行くなど、オンとオフの切り替えがしっかりできていると思います。「飼い主さまやワンちゃん、ネコちゃんのために尽くしたい」という志のある方は、ぜひお問い合わせください。

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